現金移動時等のリスク

学生ローンの危機管理というテーマで書いている以上、最後はこの話題で締めくくりたいと思う。
消費者金融などでは、常に金銭目当ての強盗や脅迫、長期延滞者への取り立てによる逆恨み等、暴力的なトラブルに巻き込まれるリスクが常に付きまとう。
例えば、他胃移動での武富士放火強盗事件は記憶に新しいところだ。
この事件、灯油を持った男が店内に入るや否や、いきなり灯油をまき散らし、火を放ったものである。
その場に居合わせた従業員のうち、5人は逃げ遅れて死亡した。
残りの4人はかろうじて脱出したものの、全員重症を負う参事となった。

この事件は、当初店内に押し入った時、犯人は金銭を要求したが、店長がこれを断った。
これに激怒した犯人が、用意していた灯油をばら撒き、起こった悲劇である。
この事件での過ちは、お金を渡すべきだったと思うのだが、今さら言っても仕方がない。
この事件をキッカケに、万一強盗が押し入った場合の対応策を講じた貸金業者も多いことだろう。

このケースは向こうから押し入られたケースだが、貸金業者の場合は常に危険が付きまとう。
例えば、現金の輸送がある。
大手の消費者金融であれば、警備会社を使っての輸送となるだろうが、学生ローンのように小規模の貸金業者では、ほぼ毎日のように銀行に現金をおろしに行く場合がほとんどだ。
ここが一番狙われやすい。
何しろ一人で大金を持って歩いているのだから、最も狙われやすい局面である。
しかも毎日同じ時間帯、同じルートをたどるので、危険極まりない状態だ。

次に狙われやすいのが、開店直後と閉店直後である。
閉店直後は特に狙われやすい。
店内にお客がいない可能性も高く、従業員も一部帰宅して人数が少なくなっている可能性が高い。
しかも、一日の業務の「閉め」の作業をやっている時間帯である。
学生ローンではお金が出たり入ったり、目まぐるしい額のお金が動く。
それらを突き合わせる作業が「閉め」だ。
つまり、多額の現金が丸腰で机の上に並べられている状態となる。
犯人からの立場からすると、金銭を用意させる時間が最もリスキーな時間帯となる。
この時間を離党して、警備会社への通報や何らかの策を打つ事ができるからだ。
しかし、「閉め」の時間帯だけはこのリスクを回避でき、目の前に大金が積んであるので、短時間の間に一瞬で奪い去る事ができてしまう時間帯なのだ。

本来、こういう事を書くべきではないのかもしれない。
このような情報が悪用される事を懸念するからである。
くれぐれも、日頃からセキュリティに対する考え方の向上に役立ててもらいたい。